トイレ

気がついたら病室のベッドの上だった。

お昼は過ぎているのだろうか?

第一に思ったのが、あそこが痛い。

傷口ではなく、男性のシンボルである。

手術中と術後しばらくはトイレにいけない。

そのため尿道に管を通すのである。

このときに尿道を傷つける。

自分の場合はすでに抜かれていた。

手術から6時間が経とうとしていた。

看護師が尿瓶を持ってきてくれた。

緊張のせいか出てくれない。

いくらカーテンで仕切られているとはいえ

隣には人がいるのである。

その後何度か看護師が様子を見に来たが、

出ないものは出ないのである。

お腹が張ってきて、尿が溜まってるのがわかる。

このままだと尿の中に含まれてる毒素が

体内に取り込まれるため危険である。

看護師にも焦りの色が伺える。

術後しばらくは絶対安静なのだが、

先生の了承を得て車いすでトイレへ。

便座に座った瞬間「シャーーーー」

溜まっていたものが全て吐き出された。

しかし尿道が痛い。

特に出だしが一番痛い。

しばらくはこの痛みと付き合わなければならない。